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快適”素手抱っこ”を抱っこ紐で再現すること

抱っこ・おんぶのおはなし
抱っこ・おんぶのおはなし

当団体で刊行した冊子「あなたと赤ちゃんにあう抱っこひも選びガイド」の深堀りシリーズ2回目をお送りします。

「抱っこひも選びガイド」の紙面だけでは伝えきれなかった内容を深掘りして紹介します。パパ・ママへ向けた、わかりやすい内容にしています。加えて、妊産婦さんに関わる医療者や子育て支援者等の方にとっても、それぞれの業務で活用いただける内容でもあると思います。ご意見、ご感想お待ちしております!

抱っこひも選びガイドは、次のような構成になっています。

今回は【1. 快適”素手抱っこ”を抱っこ紐で再現すること】を取り上げます。

  1. 快適”素手抱っこ”を抱っこ紐で再現すること
  2. パパ・ママの置かれている状況に合わせた、抱っこ紐を選び方
  3. 選び方のポイント①目的に合わせること
  4. 選び方のポイント②赤ちゃんの成長に合わせること
  5. よくある質問
  6. 抱っこ紐 装着の5つのポイント解説

1. 重たい物を素手でもつとき、どうしていますか?

例えば、素手で10kgの米袋を抱えて、ヨイショッ!と運ぶとします。どのように持ちますか?

自分の体から離して持つと、腕がプルプルして大変です。体の下の方でぶら下げるように持つと腰に負担がかかります。

では、逆に、自分の体に寄せて、くっつけるようにする。体の上の方(胸〜肩のあたり)で持つ。この2つを実践してみると、どうでしょうか?格段に体が楽になると思います。(お家に帰って美味しいご飯を炊けそうです!)

これは、物理的にも理にかなっています(参考 1)。そして、実は赤ちゃんを抱っこする時も同じように捉えることができます。

2. 素手で赤ちゃんを抱っこするとき、どうする?

生まれて初めての抱っこ、ワクワクとドキドキが一気に押し寄せますね。とても小さい赤ちゃんだけど、ずっしりと体と命の重みを感じます。人間の赤ちゃんは、生理的に抱っこが必要な生き物です(参考 2)。ずっしりと感じる体の重みを、できるだけ負担なく受け止めるには?

そうです。赤ちゃんを”自分の体に寄せて くっつける、体の上の方(胸〜肩のあたり)”で抱っこする。これで、抱っこする大人の体の負担は軽くなると思います。

3. 抱っこ紐でも、調整すれば、同じように抱っこができる。

さて、抱っこをサポートしてくれる抱っこ紐を使うときはどうでしょうか?やはり、抱っこ紐を使う時も同様で、赤ちゃんを”自分の体に寄せて くっつける、体の上の方(胸〜肩のあたり)”で抱っこするポジションを意識します。

そのポジションを維持できるように、抱っこ紐の各種パーツを調整する。シンプルながら、その「調整」が大人の体を痛みや負担から守ってくれます。

100m走るとします。靴がブカブカですと上手く走れないばかりか、転んでケガをすることもあります。靴が自分の足にぴったりフィットするように、紐を締めたり、ファスナーを調整したりしますね。抱っこ紐も同じです。「調整」は安全で快適に装着する上で欠かせません。

あとがきー痛みを認識する、ということー

抱っこ紐を使っていて、何らかの痛みや負担を感じている場合、さらに各種パーツを調整することで、痛みや負担を軽減できることがあります。

ベビーウェアリングコンサルタントをしていると「体の痛みを認識していない」という方も少なくありません。特に、産後のママは、赤ちゃんのお世話に集中していて、自分の体の負担に気づきづらいことがあるようです。そういうときは、自分の体の感覚を認識することから、抱っこの相談が始まる場合もあります。また、抱っこ紐を調整したら体が楽になり「今まで辛かったんだ!」とお気付きになる方もいます。

痛みを放置すると、精神面にも影響してきます(参考 3)。どうぞ身体の声に耳を傾けてみてください。パパもママも、マッサージを受ける時間を作ったりすることも大切かもしれません。

参考サイト・文献

  1. 職場における腰痛予防の取組(厚生労働省)
    参考2の別添の参考1~9(PDF:11,836KB)の「別紙 作業態様別の対策」
  2. Carrying human infants – An evolutionary heritage.
  3. 疼痛理学療法で提唱されている「恐怖ー回避モデル」
    痛みはバイタルの変化、ホルモン、睡眠や心の状態へも影響するというモデル。1ページ目の下段の図解が分かりやすいです。

日本ベビーウェアリング協会では、抱っこ紐を安全・快適に使用するためのポイント解説をした資料を作成・公開しています。自由に閲覧、印刷などしてご利用できる他、印刷版の受注も承っています。

地域によっては、子育てひろばや自治体の窓口に置いている場合もあります。お住まいの地域の近隣に置いている場所をお調べすることもできますので、お気軽にお問い合わせください。

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